嘘でしょ!?日本人の一世帯平均貯金額1739万円のカラクリ
■一世帯平均貯蓄額のカラクリとは?
総務省が過去に家計調査として発表した2013年時点の2人以上世帯の平均貯蓄額が1739万円に上ったということで、当時ネット上ではかなり話題になりました。
この数値は前年比で4.9%の増加率であり、貯蓄の過去最高額を更新した形で、当時注目されていた安倍政権の経済政策「アベノミクス」を裏付けるというような報道もなされました。
しかし、この数字は本当なのでしょうか?
実はこの数値は、一部の富裕層の貯蓄額を含めた平均値で算出されているものであり、ゆえに、過剰なまでに引き上げられてしまった数値なのです。
実際は貯蓄している世帯全体の中央値は1023万円程度であり、一人当たり1000万円以下の貯蓄水準であるという数値が導き出されます。
さらに言えばこの理論の中の「富裕層」というのは、何もどこかの社長や土地所有者などだけというわけではなく、60歳以上の多くの預金額が平均値を吊り上げているのです。
すでに住宅ローンや子育てが終わり、負債が少ないことに加え、高金利の貯金を行ってきた世代が多く、若年層と比較すると貯蓄額には大きなかい離があります。
ちなみに同調査では、年代別で30~39歳の平均貯蓄額は628万円であり、60歳以上の平均貯蓄額2384万円です。そして、貯蓄から負債を引いた純貯蓄高は、30代が▲383万円であるのに対し、60歳以上は2236万円となっています。
また、別の視点から見ると、2013年は株高の年であり、保有している有価証券の時価が上がっただけという指摘が何人かの経済アナリストからありました。同家計調査によれば、13年の株式など有価証券に関しては、前年よりも24.4%多い240万円と大幅増加していたのです。
ちなみに、4000万円以上の貯蓄を持っている世帯は全世帯の11%強であり、この世帯の貯蓄額が、全体の44%を占めています。株式を保有している世帯は全世帯の1割程度しかないが、おそらく4000万円以上の貯蓄を有している世帯の有価証券保有率はかなり高いと考えられています。
反面、貯蓄100万円未満の世帯が全世帯の10%程度存在しており、アベノミクスという経済政策がその差を広げたとの指摘もあります。
さらに、調査方法にも問題があったと指摘されています。日本にはおよそ5千万世帯が存在していますが、当然そのすべての世帯が調査に協力するわけではありません。
実際には8千世帯を抽出しているだけであり、さらに言えば家計調査に対応するという手間のかかる作業を行えるのは、専業主婦がいる公務員や、安定収入があり、時間がある世帯の比率が必然的に高まると考えるのが普通でしょう。
嘘というわけでないですが、平準化していない極端な数値であったことがお分かりいただけたでしょうか。「平均値」、「中央値」の違いを確認し、統計を見る必要があるでしょう。
■年収に比例しない貯蓄状況!?
金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査]の2014年版によれば、年収1000万円以上の共働きの貯蓄額は以下のように分布されます。※()内は専業主婦家庭
貯蓄額 | |
---|---|
貯蓄ナシ | 11.0%(2.2%) |
100万円未満 | 1.2%(0%) |
100万円~200万円未満 | 2.4%(0%) |
200万円~300万円未満 | 1.2%(0%) |
300万円~400万円未満 | 2.4%(0%) |
400万円~500万円未満 | 0%(0%) |
500万円~700万円未満 | 7.3%(4.3%) |
700万円~1000万円未満 | 4.9%(2.2%) |
1000万円~1500万円未満 | 9.8%(10.9%) |
1500万円~2000万円未満 | 4.9%(17.4%) |
2000万円~3000万円未満 | 20.0%(17.4%) |
3000万円以上 | 32.9%(45.7%) |
実は共働きの家庭で、貯蓄なしが11%もいるという状況です。また、前述の通り、30代の純資産(貯蓄-負債)はマイナス計上されているなど、厳しい状況が読み取れるのです。
働き盛り、子育て盛り、家を建てたばかりという家庭のほとんどが、負債を抱えているという状況をよく認識しましょう。
特に、共働きの家庭だとそれぞれ家庭の外での付き合いや外食など必要経費が増えてしまいます。
貯蓄への意識を高めるとともに、そういった状況では信用できる金融機関の各種ローン商品をうまく利用することも一手です。
最速審査、即日融資とうたい、実際にインターネットなどで午前中に審査をすれば、午後には現金が口座に振り込まれるなど、相当早いスピードでカードの作成、なかには30日間無利息などのローン商品の提供を受けられる金融機関は意外に多くあります。
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負債と貯蓄のバランスを保ち、支出の多い時代をうまく乗り切っていきましょう。